東京都のある園長先生にお伺いしたお話しです。
この園さんは、リンドウのブログの初回にもご紹介した幼稚園さんなのですが、先生方から伝わる「雰囲気」が、群を抜いています。
礼儀正しさはもちろんのこと、ほんわかというか、居心地が良いというか…、嫌な印象を受ける人はまずいないでしょう。
他園さんで、職員の主に「マナー」について、悩まれているというお話しから、この園さんがどういったマナー教育をされているのか、お伺いしました。
すると、マナーに関しては毎年4月に、新人・ベテラン問わず、外部の講師の方にお願いをしてみっちり2時間、教えを受けるとのこと。
外部というのは、特別、保育機関に特化していないことも大事だと。
どうしても、井の中の蛙になってしまいがちの世界で、「一般的な見方」を教えるのも園として大事なことだと。
ここからがこの園長先生のすごいなと思う点でした。
「マナーをいくら学んで素敵なおじぎや受け答えが出来ても、心が伴っていなければ何の意味もない。そこで、一番相手に伝わる大事なマナーとは、挨拶だと思っている」
と。
『人との会話で最初に交わすのは挨拶。“相手に伝わる挨拶”こそ、職員に一番身につけてもらいたい』
と仰っていました。
そして、園長先生は続けてこうも仰っていました。
「先生たちの保育の質を誉められるより、人柄を誉めてもらう方が、園長としてはずっと嬉しいなぁ」
当たり前のようなことだけど、実はとても大切な、まさに「幼稚園の原点」とも言えるお話しだと感じました。
一人の女性として、一人の男性として、一人の先生として、人間的に愛されることこそ、人を集めることに直結しているんだなと。
そしてこれは、子どもに関わる全ての基礎にも通じます。
私が親だったら、勉強ができることや運動ができることを誉められるより、その子の本質、例えば泣いている友達の傍に居てあげられたり、落ちているごみを黙って拾っていたりする心遣い。
そんなところを見逃さずに誉めてもらうことのほうがずっと嬉しい。
どんな組織であれ、一緒に生活する人、一緒に働く上司、仲間を大切に思い合える関係は、幸せですね。
いいお話しを聞くと、あたたかい気持ちになれます。
子どもを取り巻く現場って、だから好きです。